次への鼓動


次への鼓動

久しぶりの個展を終え、本日搬出してきました。
あっさり、写真を外すときにはなんの感慨もなく淡々と。
(富士フイルムのスタッフ二名の方が「外すよ~」とどんどんやっていくので考える暇なしw)

今回のテーマ「まちの肖像」についてトークイベントをお聞きになれなかった方にも一言。

「まちは人が創る」という極めて当たり前のことに気がついたのがこの震災。
もちろん、以前から人がまちづくりをしているという概念は常に頭にあり、
まちは生き物である、という持論を意識した写真を撮っていたことは間違いなく。

震災後に東北を訪れ、再び復興に向けて人々が動いている。
笑顔が希望を生み、力になり、また「まち」が創られる。
ゼロになっても、また人は必ず立ち上がることをあらためて感じ、そういうキーワードを写真の中にも散りばめたのです。

綺麗なネイチャー、風景などと違い、モノクロの路地裏、町角。こういう写真を見ていただく・・・
これは一種の賭けのようなもので、ご覧頂く方がどう感じるのだろうか。

そのために写真の順番にものすごい神経を使いました。撮影した時間軸でもなく、地域別でもなく。
(ある程度はつながるように考慮もしてありますが)

まちに笑顔があって、営みがある。ごくごく普通の日常。
そういう誰の目にも見慣れたはずのものや、どこか懐かしい一角。
そして傷ついたまち・・・しかし、またそこに営みが戻り、希望が見える。

こういう構成にしたつもりです。(合間に箸休めのような・・・例えばポルノ映画館の絵を入れ悲惨さを薄めたり)

なので、逆から見たり、途中から見たら今ひとつピンとこない(ピントは来てますよw)流れになる。
そういう「どこから見てもいい金太郎飴」のような流れではない故に難しい展示でもありました。

ぼくの大好きなまちを見て頂き、共感くださった方々、ぜひ東北へ足をお運び下さい。
それが東北の復興へつながります。遠くから人が来て流れが起きることこそ一歩一歩です。

ぼくは当分東北へ行くことは難しいし、過去のようなペースで撮ることはできないけれど、
また違う切り取り方を考え、カメラを持ってまちを歩くはず。
もちろん、東北だけではなく、まちを歩くことを続けますからね。

次への鼓動

宮城県気仙沼市八日町
一枚目:2011.5.4 
二枚目:2007.10.30

※多忙のため月曜日まで更新お休みいたします。



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