日常


日常

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南相馬市原町区の中心部、商店街はやはり静かで人通りも少ない印象です。
交通もそれなりにはありますが、とにかく商店街は静まり返っていました。
特に子供たちの姿をほとんど見かけません・・・

路地裏へ入ると使い込んだミシンが目に入りました。

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「そうだね、何十年かな。そんなに古くはないんだけどね。
工業用のミシンだから厚い生地でも縫えるからね・・・」

洋服屋のおじさんとしばし談笑。

「もうこの仕事50年やってるからね。他に何もできないし、どこにも行けないよ。
まあ、今は既製服が多いからさ、こうしてお直しくらいだけどお客さん来るからね。
え、北海道から?そう。またおいで。写真持ってくる?そうかい。俺さ、(車の)免許を
取ったのが56(歳)だったのよ。だからね、運転楽しくてさ、仕事がヤンなったら
すぐ出かけちゃうからね。来たときいなかったらごめんね。昼過ぎなら居るよ(笑)」

おじさん、ありがとう。撮影のお礼にお土産渡して・・・
また来るね、必ず。

原発が事故を起こしても逃げない。今更どこへ行けばいいの?

この日、一番にお話を伺った自衛隊広報の方の短い言葉が重かった。

『営みを持って避難はできない』

商売も捨て、お客さんを捨て、日常を捨て避難しなくてはならない現実。

撮影:2011.5.2 福島県南相馬市原町区

コメント

  1. ch0c0latte より:

    こういうなにか伝わってきそうな1枚って最高ですね♪
    あ~^^やっぱり街撮りっていい~って思います♪

  2. ariari より:

    >ch0c0latteさん
    普段着の町として撮ろうと決めた以上、いつもみたいに町の人と会話する・・・
    そして、撮らせて頂く・・・また、写真をお持ちする。
    こういうのがいいですね。町は人で成り立っています(^^)

  3. Rufard より:

    最後のおじいちゃんの表情がいいですね。
    このお年で流して走るのが好きだなんて、気が若いのでしょう。
    自分もこういう気概を持って生きていきたいなぁ。
    裏を返せば、”避難”は色々なものを諦めなければならないということ。
    そして避難の多くは、考える暇を与えないという現実。。。
    重いです。

  4. ariari より:

    >Rufardさん
    この店主、ふらっと逃げるのが好きみたいですw
    仕事がヤンなると、という語り方が妙に好きで笑いました。
    手入れの行き届いたミシンが入口で存在感があって・・・
    思わずお仕事中にも関わらず飛び込んでしまいました。
    それでも、東北の方って笑顔で対応して頂けます。
    だからこそ、どうか無事でいてほしい、原発なんとかしろっ!って
    毎日考えています。

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