失望感


失望感
滅多には通らない道を行く機会があった。目的地はここではなく、郵便を出すことを思い出して郵便局を探した道すがら、だ。信号待ち、閑静な住宅街に床屋を見つけて躊躇っているうちに信号が青になり、西日が当たる雰囲気に負けて車を戻した。
この日は写真を撮ろうという気分でもなかったが、カメラくらい持とうとフレンチ・シネレンズをつけたQ7だけをバッグに入れておいた。
床屋にはうってつけの光が当たり、これは久しぶりにフレンチレンズが活きるなと思いカメラの電源を入れてワクワクした時に液晶に表示された「メモリーカードがありません」の文字に目眩だ。
またやらかした。通算4度目、つい先日もやっちまった。なにやってんだよ、とクルマに戻るとカーナビにSDカードが入っているのを思い出した。足りる。
さて、再びと床屋の前に立ってカメラを構えると今度は無情のバッテリードロップアウト、何度も入れ直すがダメだった。
そうしているうちに西日は元気なく立ち去ろうとしている。仕方ない、最後の手段がiPhoneだ。やるせない。写真家失格だ。
幸いなことにiPhoneで仕事をする羽目になったことはないのだが、あっても案外これでいけるかもしれない時代が来たら…いやだ。


コメント

  1. 6x6 より:

    いや笑ってはいけないのですが、師匠でもこんなことあるんですね。
    僕はこういうことは日常茶飯事で、SDカード、バッテリー、三脚はあるのに雲台の取付プレートを忘れる、等々。一番ひどいのは結構昔ですが、
    キヤノンの白レンズも含め軽く10キロオーバーの機材を詰め込み、ボディだけ見事に忘れたこともあります(最終チェックで机の上に)。
    しかもそういう時に限って、良い被写体と巡り合うのですよね。フィルムの時に最後の1~2枚でフィルム切れの時に絶好のチャンスが来るのと一緒でしょうか。
    でもiPhone、いざって時にこれがあると思うと、確かに良い時代です。そう思っているせいか、正直iPhoneとは思いませんでした。

  2. ariari より:

    >
    6×6さん
    ええ、けっこうやらかしますよ。仕事の撮影では機材などの忘れ物は絶対にありませんが、普段はそれなりに気が緩んでますね。バッテリーが最近見当たらないというのも困ってます。
    レンズをしっかり揃えてボディを忘れるのはかなりダメージが強いです。一度やってます。しかも二度と撮れないような場面で。フィルムもそうですね。いい被写体に出会ってモノクロフィルムが底をつきました。もう悔しくて携帯電話、当時のカメラですからものすごい低画素で。。。いい思い出です(笑)<笑えない

  3. atCommA より:

    まぁ、写ってるし。

  4. ariari より:

    >
    atCommAさん
    そうなんす。本音は機材なんてなんでもいいかなと。
    でもそうはいかない大人の事情。

  5. atCommA より:

    いいじゃないすか、自分ちくらい大人の事情スルーしても。

  6. ariari より:

    >
    atCommAさん
    まあ、そーなんですが。昨今の機材事情はかなり複雑な時代かなと思います。

タイトルとURLをコピーしました