暮れたがる一戸の町 -5-(終) 岩手 2018.07.03 夕暮れ時は寂しそう。そんな歌を心にとめて歩く一戸。ここは岩手の県北であり、南部色の強いエリア。地方の凋落ぶりは今に始まったことではないけど、ここに来るといい町で頑張っていて住んでも楽しそう、と強く思うのだ。最後のカットは、ぽつんと開いたスペース、ここには岩手最古のコンクリートビルがあった。元は銀行だったもの。残念ながら更地になったばかりのようだ。実はその建物はぼくがもらえる予定だったのだ。冗談ではなく本当に。地主さんから「冗談じゃなく本当に差し上げますよ。そこまで気に入っていただけるなら活用できないかなあ」と。でも補強や、回復に最低でも3000万円はかかるという話。もう10年も前の話。今ならクラウドファンディングでもできそう。ちょっとさびしい、そんな思いで一戸を後にするのだった。