
焼けそうでそうでもない微妙なニュアンスの色はちょっと加味して仕上げます。いいですねえ、この半逆光の彩りに上がるSAAB340Bも引退が近い。来年順次ATR42がやってくる。それはそれで楽しみなんだけど、やっぱりサーブの可愛らしさ、堂々としたプロップ音はたまらんのです。「ああ、なんだか仕事の帰り道、今日はいい色だな、空港でも寄ってみるか」という雰囲気になれるのもNikon Z 50という携帯性のいい新型ミラーレスのおかげ。とにかく小さい。いや、Z 50よりも小さなカメラはあるのだが、撮る気にさせてくれる本格的な一眼ミラーレス、で、性能はDX(APS-C)フォーマットのフラッグシップであるD500や受け継いだミドルクラスのD7500の絵を凌駕している。標準ズームのキットレンズのNIKKOR Z 16-50mm f/3.5-6.3 VRのコンパクトっぷりったら。。。どう見たって「まあ。初心者向けのキットレンズでしょ?」としか思えないのだが、7群9枚という構成にEDも非球面も使った豪華なレンズだ。MTF曲線に至っては「うそだろ」と誰しもが目を疑った。望遠ズームのNIKKOR Z 50-250mm f/4.5-6.3 VR に至っては12群16枚(うちEDレンズ一枚)である。フルサイズ換算75−375mmである。
キットレンズは我慢の安レンズということを思っていたらそれは大きな間違いで、開放からしっかり仕事をする。過去の某社の18−55はひどかった。ちょっとづつ改良しつつ出てくるので買い換えを余儀なくされ、それでも絞りを8まで絞ってなんとか使えるかな?というレベルで、すっかり使うのが嫌になった。そういう思いを多くの方が経験されているんじゃないだろうか。だがこのZ 50用のキットレンズは全く違う。「ちょっと開放値暗いけど、大丈夫です、使えるレベルですから。一段明かりが欲しければISOを一段上げてください、耐えますから大丈夫ですよ」とニコンが言っているようにしか聞こえない。とにかく、ようやく常時携帯、そして旅心を広げる奴がやってきたのである。