



あきらかにフォーマットの大きさによる湧き出るような絵、懐深い描写が中判の魅力だ。
今の時代、APS-Cセンサーで明るい単焦点を昼間でも使える高速シャッターが利用できると、
面白いように被写体が浮かび上がる絵は作り出せるのだが、それとはまた違う世界観。
今は手放してしまったけどHASSELBLADの203FE、標準レンズと広角のセット、普通に買えば
100万円を簡単に超える値段だった。(中古で恐ろしく安価に買ったんだけど)
それを思えば中判デジタルも買えない値段ではないだろうし、ライカのデジタルより安い。ということで、どうでしょう、町のスナップに引っ張り出すのも大人の粋。
こういう中判の世界というのはその昔のオーディオマニアならピンとくることが多いだろうと思う。
ぼくは実を云うと写真より音の世界の方が先で、録音の魅力に取りつかれた一人だ。
テープレコーダーで生の音を録音する。「生録」という趣味があったのだけど、それにハマった。
ラジカセ(カメラでいう所のコンパクトカメラ)だけでは満足せずステレオのテープデッキ、それも
屋外へ持ち出せるデンスケだ。中学生の時に「カメラかデッキかどちらかにしろ」と言われてデッキを
選んだ。カセットテープの種類を選べば録音できる音域にも変化が微妙にあるし、録音のレベル調整が
上手くいかなければノイズが目立ったり、音が割れることもある。そう、写真で云えば露出である。
カセットテープよりもオープンリールの方がテープ幅も広く、テープの進む速さも速いので音質がいい。
しかし屋外へ持ち出せるオープンリールのデッキはメチャクチャ高価だった。外国製で100万を超えた。
室内の100Vが使える環境なら10号リールでテープ速度は38cm/secという「2トラ38(サンパチ)」が
デッキの到達地点だ。(我が家にはあるんだけど、動くかどうかわかりません)JAZZの生録なんかしたもの。
その音質はすさまじく、レコードの比ではない。ああ、なんか懐かしいな。
そういうことを思えばまたフィルムの中判、6×7を使いたくなるもんだ。デジタルは買えません(笑)。FUJIFILM GFX50S + GF63mm F2.8R WR
コメント
このサイズで見ていますが、エゲツなさは十分分かります。
いやもう反則ですよね。大人というか、大人げないのではと言いたくもなります。
ブローニを初めて使ったときは、リバーサルだったせいもあり、35mm判の画質論争が何だったのかという次元の違いを感じました。
まさにカセットデッキとオープンリールの違いですね。言い得て妙だと思います。あとは250CCバイクと大型バイクの違いといいますか。
フジの中判デジタルは、最後の1枚みたいな中判ならではの余裕に加え、1枚目みたいな「X」の色まで併せ持つのだから始末に負えません。
でも近づきません(笑)。実は6×6を名乗りながら、ローライフレックスは少し前に処分しました。ああいうのは、防湿庫に入れっぱなしだと油が乾くせいか銚子悪くなります。
Mモノクロームの資金捻出の要素もありましたが、当面使わないので・・・。でも「マミヤ」のRB67と645Sは、値が殆どつかないこともあり置いてあります。
中判デジタルには近づきませんが、67判を使ってみようと思います。
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6×6さん
えげつないです(笑)。これすべてJPEG撮りっぱなしなのです。(そもそもこんな膨大なデータは処理できないので)何と言いますか、余裕ありすぎて「ふふん、そんなもん撮るのか」とカメラに苦笑されそうな気がするので困ります。
ぼくの最初の中判がいきなりハッセルの500C/Mでしたので、そりゃあもう強烈でした。借金のカタに売ってしまい一年も一緒にいませんでした。空間、距離感、何もかもが違う物に写るのでこの程度の大きさでわかるんだからA1以上に伸ばしてみたいと思いますよね。
逆に言えば大きくしなければ見ないふりすればいいんだろうと思いますが一度見てしまったら「見ないこと」にはできないですね。もちろん、普通のまちスナップでこんだけ写るんだと思うと、奥深さを見ずに引き返すべきだと思いました(笑)。