舞台裏


舞台裏

この一枚はいつもとは仕上がりの調子がちょっと違うと思う。
とあるフィルムをシミュレートしてみた。うん、かなり近いと思う。カメラのJPGで出る。
カメラはFUJIFILM Xだけど、出してみたかったのは海外のカラーネガ風の色と階調だ。
明日はNikonのカメラでもこういう絵を作るために色々やってみる。

こういう作業も写真家にとって、講師にとって絶対に必要だから。
…てなことで、長文注意の話。

ヨドバシさんのセミナーが終わって、まだ疲れが尾を引いているようだ。
年齢を重ねたおかげで疲れがなかなか取れないというのは厄介だ。
自由業である限り実を言うと24時間勤務で本当の意味での休みはなかなかない。

講座のない日は休みなんだろうと思われがちだが、講座のための準備、作例撮影、
クライアント様との打ち合わせ、メールのやり取り、など日々の作業は多い。
もちろん月末になれば請求書や報告書、講座のスケジュール組みやツアーの行程など…
終わらないんですよ、ホント。

作品のための撮影ではなく、今回のヨドバシさんのセミナーでも使えるようなものを
日々撮っておかなくちゃならない。お客さんが見て「ああ、こいつは口だけでいい写真がない」
なんて思われても困るし、かと言って過去の絵ばかりでも「ネタが切れた」と思われる。

NPO法人での写真依頼が来れば、それに伴う絵を探したり撮り直しも必要だ。
クライアント様とのメールは午後〜夜にかけて来ることが多い。
企業はたいてい午前中に会議や打ち合わせを行い、午後には依頼先へ連絡を行う。
ぼくがメールをチェックできるのは講座が終わってからなので、そこの返信や企画書への
書き込み、スケジュールを折り返し返せるのは夜間になる。
当然寝る時間は深夜、あるいは朝方になってしまうのだ。

大量の写真データの整理も夜でなければできないことが多い。
たまに息抜きに出かければ同業者からも嫌味や皮肉も云われることだってあるからね。
こう見えてぼくの舞台裏はけっこう厳しい。今月の支払いだって足りないので金策に頭が痛い。
先月もレンズ三本泣く泣く売ったけど、それは手放すべきものじゃなかった。背に腹は…なのだ。

意外にコイツ儲かってんじゃないの?なんて思われているフシもあるが冗談じゃない。
なんてことはどうでもいいですね(笑)。この秋、つまり今期半年も講座が3つ閉鎖になった。
初心者コースは非常に厳しいのだよ。これでは年を越せるかなという懸念があるね。

それでも、日々絵作りの基本、RAWではなく、JPGでもきちんと好みの階調、色合いを出せるように…
ノウハウを試行錯誤するのだ。

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コメント

  1. 6x6 より:

    カラーネガの傾向を、特にコダック系はモノクロしか分からないのですが、フィルムだなーと思います。初代ズミクロンで撮ったカラーネガのような感じもしました。
    ヨドバシでの講習、大変お疲れさまでした。比べようはありませんが、以前講師の真似事のような仕事もしたことがあり、人前で言葉に魂を込めて語る際の尋常でないエネルギーの消費は理解できます。
    写真で飯を食べるということは、依頼された拘束時間だけでなく、前後や背景に膨大な仕事があるのですね。そのうえで自分の作品つくりとなると、生半可ではないですね。
    追伸:Xのjpeg作り。シャドー部を濃くして悦に入っておりましたが、これはスタート地点だとやっと気づきました。トーンを残したまま重厚な画を作るのには、まだまだ試行錯誤ですね。キヤノンのベタッとした塗り絵のような色の経験から、彩も諧調も潰してしまっていたようです。アマチュアなりに精進します。

  2. mugen-houyou より:

    大変ですね、写真家という職業は。
    (お察しいたします)
    ところでフィルムのシミュレートは
    「ホワイトバランスシフト」が肝と思ってますが、
    Xは残念ながらB-Yの縦軸と、
    G-Rの横軸しか弄れないんですよねw
    ですから色の作り込みという観点からは
    まだまだ改善の余地はありそうなんですが、
    どうなんでしょうね?

  3. ariari より:

    6×6さん
    お店に因って焼きが変わるネガの色出しは難しいのですが、自分で完全に標準状態の
    オペレーションによるラボのプリンター(銀塩写真ミニラボプリンタ)をいじっていた
    経験値で色を作っています。適切なキャリブレーションと薬液管理を行っている店って
    もう少ないのかもしれないので、正直これがネガの色!って今時厳しいのかな。
    コダックのEktarのデータシートから分析したものに近い色特性を試行錯誤しています。
    Xのフィルムシミュレーションはキヤノン、ニコンとは違い、それぞれのモード自体で
    色調、濃度、彩度が異なっているので面白いと思います。未だに環境により微調整ですよ。
    X-Pro2になってパラメータが+ー5段階になって難しくなりましたが…

  4. ariari より:

    mugen-houyouさん
    自分で選んだ道なので、限界を感じたら近所のパチンコ屋で清掃のバイトがあるので、
    年齢的にもそういうのしか選択できないので応募しようと狙っています。歩いて通えますし。
    ホワイトバランスのシフト(微調整は)ニコン、キヤノンはG-M
    A-B表記の縦横ですが、
    斜めにシフトすると富士フイルムのB-Y
    G-Rと同じになるので、結果は同じです。
    (以前動物写真家で有名な方がそれを間違ってブログが炎上しかけました)
    ラボ(フィルム)の色調整にアンバーはないのでRGB軸を基本にしているためでしょうね。
    本当はCMYとその中間にRGBを入れる六角マトリクスにすればいいのですが、複雑なので
    縦横シフトで表示していると思います。結果はどれも同じになりますけどね。

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